2012年3月13日火曜日

雪割桜

暖かくなった、春だなあ。
なんて思っていたのに、先週末からまた寒くなりました。
三寒四温。

最近朝、次男と犬の散歩に行くようになりました。
近くに山の裾に一本の立派な雪割桜があります。
毎年、梅の咲く頃、立派に咲いてくれます。
今年も今、満開。
桜よりだいぶ濃い桃色をしていて、見事です。
この桜を見ると、その家のおばあちゃんを思い出します。

とてもかわいいおばあちゃんでした。
5年位前にがんで亡くなりました。
元気な時はニラのハウスをしていて、ニラや野菜をよくいただきました。
控えめながらも天然のようなユーモアを持っていてかわいかったなあ。
いつもニコニコしていて、
みんなと話していておかしいと大きな口を開けて笑っていた。
雪割桜は長男のお嫁さんの実家の近くで有名で、
それでここに植えたとか。
その花を眺めながら話をしたなあ。
亡くなる寸前には病院で、家族や親族たちに遺書のような願いを書いていたそうです。
気丈で皆を思いやるメモのような手紙。
それぞれに言い遺したいことがあったんだろうけど、なかなかできないことだと思います。

その世代はすごい時代を生き抜いてきている。
今でこそ平和で穏やかに暮らしているけど、
色んな苦労を余儀なくされた時代。
その温厚でたくましい年代の方が亡くなるのは、
田舎の遺産をなくしているように思えます。

その雪割桜を見上げておばあちゃんを思い出し、
私達の世代は何を遺せるのだろうか、とふと考えてしまいました。

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