子供たちに聞いてみた。
どんな感じがした?
うーん、わからん、変な感じ…
っていうのが一言目。
私も同じくなんです。
沿岸部は町ごとさらわれてしまって、
なんとも被害の規模が大きすぎて、
頭の中で想像できないくらいになっている。
そして、私たちが行ったのは、4ヶ月を迎えようとしてた。
まだまだこれからではあるけれど、
被災地は生々しさを無くしかけていた。
ついさっきまで人々の暮らし、会話、息が感じられそうな生々しさ、
この中にまだ人がいるかもしれない…そんな感じがしない。
今思えば、被災地はずいぶんと片付けられ、
どちらかといえば、廃墟のような佇まいだったのかな?
全てを地震と津波にさらわれてしまっても、
直後はそこここに命を感じられたと、
あまりにも悲惨な状況を感じられたと、思うのです。
私たちが目にした状況は、それを超えた、
あまりにも全てを、命さえも無くしてしまった、
荒れ果てた更地でした。
たぶん町があったであろう、たぶん道路が線路があったであろう、場所…
たぶん家が暮らしがあったであろう場所、
たぶん人々が楽しく集っていたであろう場所、
たぶん、ガソリンスタンド、レストラン、デパート、郵便局、
そんな光景がただただ広がっていて、
たぶん…とは思えるんだけど、町の命がありませんでした。
ただのそのままの土地で…なんとも言いようのない感情でした。
子供たちも同じようで、
「なーんかさ、思ったよりさ、怖くなかった」
「テレビで見たほうが、すごかった」
「これを自分のとこと思ってみても、わからんやった」
だからこそ、なんか変な感じから怖さを感じ取っているようではありました。
ドウシテコウナッタノカ…
そこにまた町が人の暮らしが少しづつできてくるんだろうな。
息をはじめ、声がして、暮らしの香りが戻ってくるのだろうな。
そこは今、何もかもを無くしてしまっていたけれど、
実は息を始めようとしていたのかもしれない。
色んなものの息遣いが感じられるというのは、
安心なんだなって思います。
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