2011年8月2日火曜日

被災地に行って、2

子供たちに聞いてみた。
どんな感じがした?
うーん、わからん、変な感じ…
っていうのが一言目。
私も同じくなんです。

沿岸部は町ごとさらわれてしまって、
なんとも被害の規模が大きすぎて、
頭の中で想像できないくらいになっている。

そして、私たちが行ったのは、4ヶ月を迎えようとしてた。
まだまだこれからではあるけれど、
被災地は生々しさを無くしかけていた。
ついさっきまで人々の暮らし、会話、息が感じられそうな生々しさ、
この中にまだ人がいるかもしれない…そんな感じがしない。
今思えば、被災地はずいぶんと片付けられ、
どちらかといえば、廃墟のような佇まいだったのかな?
全てを地震と津波にさらわれてしまっても、
直後はそこここに命を感じられたと、
あまりにも悲惨な状況を感じられたと、思うのです。

私たちが目にした状況は、それを超えた、
あまりにも全てを、命さえも無くしてしまった、
荒れ果てた更地でした。
たぶん町があったであろう、たぶん道路が線路があったであろう、場所…
たぶん家が暮らしがあったであろう場所、
たぶん人々が楽しく集っていたであろう場所、
たぶん、ガソリンスタンド、レストラン、デパート、郵便局、
そんな光景がただただ広がっていて、
たぶん…とは思えるんだけど、町の命がありませんでした。
ただのそのままの土地で…なんとも言いようのない感情でした。

子供たちも同じようで、
「なーんかさ、思ったよりさ、怖くなかった」
「テレビで見たほうが、すごかった」
「これを自分のとこと思ってみても、わからんやった」
だからこそ、なんか変な感じから怖さを感じ取っているようではありました。
ドウシテコウナッタノカ…

そこにまた町が人の暮らしが少しづつできてくるんだろうな。
息をはじめ、声がして、暮らしの香りが戻ってくるのだろうな。
そこは今、何もかもを無くしてしまっていたけれど、
実は息を始めようとしていたのかもしれない。
色んなものの息遣いが感じられるというのは、
安心なんだなって思います。

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