2011年12月6日火曜日

家の記憶

とうとう12月、ほんと一年って早い…

お正月は帰省します。
夫の実家の福岡県八女へ。
私の実家は両親が亡くなってしまったので、借りてもらってます。

長崎の西彼杵半島の外海に面した漁師町です。
ここ中土佐町と似たような規模の似たような気候の似たような地理の町です。

私は小学3年の夏までそこで育ちました。
記憶はとぎれとぎれに残っています。

その頃はお正月には母の実家に行っていました。
長崎の佐世保。
親戚集まって賑やかでした。
私は一人っ子ですので、楽しみでした。
夜更かしをして紅白を見て、おじちゃんと初詣に行っていました。
おじちゃんにはとってもかわいがってもらいました。
ばあちゃんとおじちゃんは私が高校生の時に亡くなり、
おばちゃんは去年亡くなりました。
いつもすばらしい御節料理がありました。
もちろん洋服の時代でしたが、家では着物を着ていたおばちゃんでした。
きれい好きでいつもお正月でくつろいでいる時でも、
おばちゃんだけが掃除をしていました、着物で。

私も高校を卒業して長崎を離れ、長い年月が流れました。
たまに佐世保に顔を出すと、おばちゃんはいつもきれいな家で、動き回っていました。
近況を話したり、おじちゃんや私の父母の思い出話をしたり、
おいしいものをいただいたりしていました。
私の記憶の中の佐世保の家の住人はおばちゃんだけが残っていました。
そのおばちゃんが亡くなり、今は孫が一人で暮らしています。
家は何度かの改装を繰り返してはいるもののそのままそこにあり、
いとこの子供(おばちゃんの孫)が守っています。

勝手な話ですが、その子がそのうち嫁をもらい、
その家で、また新しい時代の家族が住み、
親戚が集まる賑やかなお正月を迎えてくれるといいなあ…
なんて思ってしまいます。

ほとんどの人がそんな風に、記憶の中の家があると思います。
あの家がまだあるかなあ、なんて思って探してみたりすることもあります。
あると嬉しくなり、まだあったことを不思議に思ってタイムトリップしたりすることもあります。

家は黙って受け止めています。
今の一世代を保つ家とは違って、昔からの家は、
長い時でたくさんの家族を包み込み、人間模様を見てきました。
喜びも悲しみも包み込み記憶しながら、じっとそこにあります。

今度のお正月には父母の墓参りと佐世保の家に顔を出し、
おばちゃんにお線香を上げてこようと思っています。
あーその前にやることがいっぱいあるのだけど…

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