今日はとうとう休校式。
うちの子3人が卒業した小学校。
11年前にこの地に移住し、長女は小2での転校でした。
その頃は30人と少しいた小学校も次男が去年卒業して、今年は3人で乗り切りました。
最後の卒業式は欠席しましたが、とてもいい卒業式だったようです。
それは入口で待つ私たちの前に現れた卒業生で分かりました。
きっと今年は大変な一年だったことでしょう。
閉校が囁かれて久しかったのですが、今年はいよいよといった感じで、
閉校が決定してからは、色々なプレッシャーもあっただろうし、
何かと注目されてきたし、またこの3人がばらばらだったし。
寂しさと同時に大変な思いから解放されてこみ上げるものが大きかったと思います。
これを乗り切った3人は素晴らしいと思う。
おめでとう。お疲れ様。
私たちにとってもこの小学校は思い出深いものです。
この小学校があったから引越しもできたことだし、
子供も素晴らしい経験ができたことだし、
この地区に馴染めたのもこの小学校のおかげです。
小さい小学校の行事は、PTAだけでなく地区総出となります。
出番が多くて大変ではあるけれど、先生とも近くなるし、
地区の団結も強くなります。
この地区で生まれ育った方々は当たり前のことだろうけれど、
外から入った私たちにとって、貴重な体験です。
町に住んでいると経験できないことです。
何事も一長一短だけど、子供がいる移住者にとっては、
これはありがたいことです。
地域の中で育つという環境はとてもいい基礎になります。
しかし、最近感じていたのは、地域が疎遠になっているかなって感覚。
地元の人たちが、地域行事に対して、熱心さがなくなっているような、
地域の人間関係に煩わしさを感じているような、
少子高齢化、過疎 、ということに対して、仕方ないと消極的なような…
なんというか地元愛が薄くなって、いろいろと希薄になっているような感じ。
農村地域でありながら、今はもうそれぞれに職業を持ち、専業農家は数える程で、
農作業も手伝い合うこともなくなり、そんな現代社会で田舎の生活は様変わりしている。
仕方のないことなのかな、なんて少しがっかりしている自分がいました。
しかし今日の休校式で地区長の挨拶がありました。
「学校が休校になっても、学校を中心に地域を盛り上げ、
そしていつの日か、笹場小学校に通わせたいと思われるようになって、
また学校が開校されることを強く望みます。」
という言葉を聞いて、胸が熱くなりました。
だってこれは地元の人の言葉だから。
地元の人がそう思っていることがとても嬉しくて、心強く思いました。
私らがそれを言っても、誰にも響かない。
ずっと先祖からこの地に暮らしている人がこの地を愛しているから、
この言葉は心を打つんです。
そんなところに人が来て欲しい。
そんなところに住んでいることが誇らしい。
140年余りの歴史にとりあえず、幕を下ろしました。
この幕がもう一度開くことを強く望むところです。