母の命日が近づいている。
母が亡くなって九年が経とうとしている。
父はその三年半後に亡くなった。
私は一人っ子なので、三十九才で喪主挨拶をした。
母が亡くなって九年が経とうとしている。
父はその三年半後に亡くなった。
私は一人っ子なので、三十九才で喪主挨拶をした。
高校を卒業後、親元を離れてしまい(それもどんどん遠くへ)、
どちらも死に目には会えなかった。
最後に寂しい思いをさせたかなあと後悔もしないでもないが、
きっと私の事を理解していてくれていると思っている。
親元を離れてからの人生の方が長くなってしまって、
両親を亡くしてしまった事がすぐには実感として湧かなかった。
しかし実家に帰省しても誰もいない事を繰り返すうち、
一人っ子である私は天涯孤独のような感覚をおぼえることがある。
親戚も少ない私は、小さい頃の記憶を共有している人を探すことが難しい。
あの時どうしていたっけ、何歳の時にあの出来事は起こったのか、
思い出の詳細を確かめる人を亡くしてしまった。
どうでもいい些細なことなのだけれど。
しかし料理や縫い物をしている時、母の習慣を倣っていたり、
物を捨てずいつも何か作っていた父の残した細々したものを今も使っていたり、
あーこれが私の根源なんだなあ、とふと感じる。
私の中に悪い面も含めて父母は生きているのだな、と。
日々の営みとは大切なものだ。
今年、長女は親元を離れようとしている。
私も自分の家族を持ち、
子供達も同じように暮らしの中で受け継がれていくものが何かあるのだろう。
できるだけ良いものを遺してあげたいものだ。
きっと年を経て、私のように父母を思い出す時がくるのだろうから。
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